親の想いと考古学
歴史を調べたりするのが好きで、各種の歴史本を読んだりします。歴史学といっても、古代、中世、近世、現代という歴史時間的区分があると、昔、歴史の時間に教わりました。しかし私が学校で教わった授業では、ほとんどが文字が出来てからの歴史が主流で、文字がまだ現われていない、いわゆる”先史時代”については、簡単なものだったという記憶があります。『考古学』などという名前もほとんど聞かなかった覚えがあります。
『考古学』は世界的にみて、比較的新しい学問で、組織的な研究が始められたのは19世紀からということで、日本では、明治10年に動物学者のエドワード・モースが、縄文時代末期の遺跡である、大森貝塚を発見、調査したのが、日本考古学の最初のものとされています。
考古学的発掘品、というものは、その時代を物語る資料となるものですが、現実に発掘品を見るのは、展示されている解説文を読むよりも、さまざまなことを考えさせられます。その時代に生きた人々の肌合いが分かる、といったらよいでしょうか。解説文の情報よりもそのものを見るほうが、いろいろなことが伝わります。遺跡から発掘された品を、一目見ただけで「数百年、数千年前に生きていた人達は、こんな想いで生活していたのだ」という、肌に直接伝わるような感覚を味わえてしまうのが、発掘品展示です。
今回、東京都江戸東京博物館で行なわれている『発掘された日本列島2007』を観にいったのは、そんな思いからでした。
東京、両国にある東京都江戸東京博物館は、今回のような企画展と、江戸時代の江戸の様子を再現する常設展とが併せて開催されていました。
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東京都江戸東京博物館
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/index.html
今回の企画展『発掘された日本列島2007』は、国内各地の発掘埋蔵品の展示、ということで、昨年行なわれた8000件の発掘調査の中から、特に注目される51遺跡、約470点の出土品が展示されています。(会期7月15日まで)
遺跡の時代も、旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、古代、中世、近世と日本史年表の区分に分けられて、それぞれの時代での発掘品が展示されていました。
なかでも感銘を受けたのは、北海道恵庭市の柏木川遺跡から出土したという『手形・足形付土製品』というものでした。
ちいさな子供の手を粘土に押し付け、手形をとったものをそのままの形で焼いたもので、足形のものと二つありました。およそ2500年前の子供の手と足の形が押された土器は祭器だったのでしょうか?、いずれにせよ親が、丈夫に育てと、何かに(神とか、大いなる存在とか)祈った心を、土器にしたものでしょう。いつの時代でも、親は子供の健やかな成長を願い、子孫の繁栄を祈ったのでしょう。(縄文時代の乳幼児死亡率は50%以上だったのではないでしょうか。ずっと後の時代、戦後すぐの乳幼児死亡率は25%くらいでしたから。)そんな中、子供は生まれ、育つものは育ち、儚くなる子供達も沢山いたのでしょう。
先史時代からこれまで、自分の子供の健やかな成長を願わない親はいなかったのではないでしょうか。後世に至って、時代の貧窮から生まれた子供を秘かに亡きものにする、という悲劇はありましたが、現代のように、いたいけな子供を親が一時的な感情で殺す、などという時代は、これまでの時代には無かったように思います。人類としてのDNAが衰退しているのかと思います。
そして、この『手形・足形付土製品』に、手や足の形をつけた今から2500年前の子供は無事、健やかに育ったのか、どんな人生を送ったのか、などと想いを遥かにしました。
さまざまな発掘品などを眺め、その品が実際に使われていた頃の、人々の生活を思い浮かべるのが、博物館見学の醍醐味といえると思います。しかしその中でも、文字を持たない先史時代に作られた、土器や木製品、編んだ品物などは、その当時の人達の想いが、特に強く伝わってくるような気がします。
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<きょうのおまけ>
古代中国・漢(紀元前202年~西暦220年) 高6.5cm。
女性がひざまずき、子供を抱いている像です。
(頒価、30,000円)
この像にご興味がお有りの方は、コメント。メールをお寄せ下さい。詳しいご説明をさせていただきます。
yoshida art
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ではまた・・・。
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コメント
子を思う親の気持ち・・・古代から受け継がれているものを守り続けていきたいなぁ・・・拝読させていただき、その思いを新たにしました。
ありがとうございます。
甘えるようなお目目のすみれちゃん・・・可愛いらしさとともに・・・な~んとも妖艶な感じも・・・(^^>”
投稿: 雪国もやし | 2007年6月24日 (日) 午後 08時48分