禅と自分の休憩所
TVで今年一番の暑さなどと予報されている中、上野公園に出かけました。東京国立博物館で開催されている『京都五山・禅の文化展』を観ようと思ったのです。
JR上野駅から、酷暑の日差しを避けるように公園内の木立を縫って歩いていても暑い。館内に入ってエアコンの冷気に救われたような気分でした。暑い最中の展覧会巡りは、館に辿りつくまでが一苦労です。
東京国立博物館は、建物が本館と平成館とがあり、今回の展示は平成館で開催されています。
今回の展示は、足利義満六百年御忌を記念して、京都五山やゆかりの寺院等に伝わる、鎌倉時代から室町時代の禅文化の名品を展示する、というもので、木像、墨蹟、軸、絵画、仏像等々およそ230点あまりが展示される盛大なものでした。(9月9日まで)
天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺の五山と、その上位の南禅寺等に伝わる、開祖の木像、書跡、それらを保護した足利義満の功績など内容が複雑で、人物などの相関関係の確認だけでも一苦労でした。それぞれが残した文化財などは多く、ほとんど気が遠くなりそうな膨大な展示でした。
掛け軸などの判読に目を凝らしているうちに、疲れ果ててしまいました。また内容もムズカシイ。
また展示物の説明文も分かり難く、ガラスの展示台に広げられた袈裟などは、日本人なのに英語の説明文を読んで分かる始末。また墨蹟の説明などは詳しい内容は記されてなく、入館者が勝手に「ウン、なかなか判りやすい字だネ。」などという素朴な感想しか沸かないものでした。たしかに書道的な見地からみると立派な書ではあるのでしょうが、禅宗の独特な表現があるので、解読するのに相当の知識を必要とします。
展示は全体で五つのパートに分けられているのですが、三つ目のパートあたりから、疲労困憊となり、あとは、興味のある仏像、神像などの展示を中心に観ることにしました。
展示室のあちこちに、簡易ソファなどが置いてあるのですが、入館者がグッタリと腰掛けている姿も目立ちました。これほど膨大な量の展示でなければ、もう少し身を入れて観られたのですが、圧倒されたという印象でした。
ソファといえば、この国立博物館・平成館のラウンジは、こういった施設には珍しく、大変広いスペースがとってあり、沢山のソファが置かれ、相当数の人達が休むことができます。休憩所脇のスペースには甘味処のサービスや、自販機などもあり、広々とした空間で、来館者が思い思いの休息のしかたをしていました。
この平成館には、今回の展示場とは別に、歴史年表的に配置した古代からの発掘品展示室があり、これも広いスペースをとっています。また廊下で本館に行くと、標本画や、近代日本の名画、骨董品なども沢山展示してあり、歴史好きな者にとっては、一大アミューズメントパークのようなところです。そして要所要所にベンチやソファが配置されていて、資料を読んだり、持参した飲料などを飲んで休む人の姿が見られました。
一般的に美術館や博物館で、来館者が休息する場所を確保している所は非常に少ないものです。展示室内は、ある種の緊張感を必要とするものですし、簡単な平型のソファを少数置いてあるところはありますが、鑑賞に疲れた来館者が休める場所を確保してある館はあまり見かけません。
美術品の鑑賞という精神的な作業は、肉体的にも相当な疲労を伴います。熱心に作品を鑑賞し、一旦展示室から出て、一休みしてから、再度鑑賞の続きをする、ということはままあることです。そんな時にゆったりしたラウンジで、飲み物などを飲みながら休めるということは、身体的には勿論、精神的にも豊かな時間を味わえるものです。
最近では書店などで、売り場と隣接してコーヒーなどを飲める簡単なショップを併設しているところも見かけるようになりましたが、店舗などでは費用対効果といったことから、なかなかこういったスペースを捻出すのは難しいのだろうと思います。前述した東京国立博物館のようなところは、官が運営しているから、ともいえますが、行政が造った博物館などで、来館者の休息スペースを広くとってあるといった所は非常に少ないものです。
これは、ポリシーの問題なのだろうと思うのです。来館者に精神的な豊かさを提供するという目的の、考え方の現れる所が、休憩所なのではないかと思います。こういった思想は大事なことだと思います。
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家庭、会社、作業現場などで、一休みする場所は重要です。家事に勤しむ主婦・夫、朝から深夜までパソコンキーを叩き続ける事務職サラリーマン、厳しい外回りから帰ってくる営業マン、酷暑の中で現場作業をしている作業員等々・・・、動き詰めに動いている現代人にとって、それぞれが自分の「一休み」する場所を確保することは、自分を見直すため、にも重要なことだ思うのです。
この拙文をお読みの皆さん、「ご自分の休憩所をお持ちですか?。」
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<きょうのおまけ>
高4.7cm、口径7.4cm。
現代の考古学では、縄文式土器が弥生式土器に移行した時期は、きっぱりと分けることは出来ず、それまであった縄文式土器製法に、朝鮮半島からの新技術である弥生式土器製法がゆるやかに融合し、ゆっくりと技術革新が行なわれたようです。時代の移り変わりは後の年表に記されているように、線で引かれるようなことではありません。文化、文明の融合は時間がかかるものです。
この土器にご興味がお有りの方はコメント、メールをお寄せ下さい。詳しい説明を致します。
yoshida art
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ではまた。
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コメント
こんばんは。
美術館などで1番困るのが、やはり途中で休息する場所がないことでした。
絵は見たい・・・でも、疲れてしまい、一旦、休憩してから・・・とは思うものの・・・休憩場所がない。
結局、疲れた後の絵の鑑賞は、トーゼン・・・雑になってしまっていました。
(ペコリ)
アイランドキッチンならぬ・・・アイランドソファーがあると、絵を鑑賞しつつ休憩もできる・・・一石二鳥なのですが・・・。
m(__)m
それにしても、すみれちゃん・・・休憩場所と言うか・・・居心地のい~ぃ場所・・・心得ていますね。
いつ見ても可愛~ぃです。
(*^^*)
投稿 雪国もやし | 2007年8月14日 (火) 午後 10時27分