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美術館スタッフの心得違い

師走に美術館廻り、などというと一般的には優雅な時間の使い方のようですが、その優雅な時間に不快を感じる美術館が増えてきているような気がします。それは展覧会会場にいる監視員、スタッフのことです。

0068 最近も監視員が気になる展覧会がありました。ひとつは『院展』の巡回展です。私は横浜のそごう美術館(~12月28日)で観たのですが、その時に作品の出品者か、関係者だと思われる年配の女性二人が、作品の前に立って声高に、家族のことなどを喋っているのです。声は大きいし、作品も見えないので、不愉快になり、監視員に注意してもらおうと視線を向けると、肝心の監視員はそっぽを向いて知らん顔です。そのくせ他の展示コーナーでは、椅子から立ち上がって歩き回り、作品を観ている人がいるにも拘わらず、その人の目の前を横切ったりするのです。

秋の『院展』は、春の院展と違い、作品も規定サイズが大きく(225cm×180cm以内)、中には作品を分割して搬入する作家がいたりするもので、展示作品を観るには、作品から相当に距離を置いて全体を観る必要もあります。その時に目の前を、他の客ならまだしも、監視員が横切ったりするのは大変に非常識だと思います。また最近は、椅子の傍に立っている監視員も多く見かけます。狭い展覧会場では、こういった監視員はことのほか視界の邪魔になります。

監視員は殆どの美術館では、警備会社で警備講習を受けた監視員か、美術館が募集したボランティアスタッフ等がアルバイトとして行っています。写真撮影、危険物の持ち込み、作品接触などの防止のために会場を監視しているのですが、まれに館の職員、学芸員なども動員されていて、求められれば来館者に作品の説明をする場合もあります。しかし、基本的に監視員は会場での不測の事故などに対応する人達で、来館者の鑑賞の妨げになることは許されない業務です。また危険防止を考え過ぎて、来館者に威圧的、懐疑的な視線を向けるなどの行為もいけません。

また、監視員の座る位置も作品鑑賞に大変邪魔になることがあります。これは会場設営の際に館側が決めることですが、ことに入り組んだ会場設定の場合、来館者が移動するのに監視員が邪魔になることが多々あります。また作品の鑑賞視野に監視員が入ってしまう場合が沢山あります。これは館側、運営側の展示センスの問題ですが。

0069 もうひとつ、横浜美術館で始まった『GOTH』展(~08、3月26日)でも似たような不快感を味わいました。コーナーの仕切り壁の多い会場だったので、必然的に来館者も細かい移動になるのですが、ここでも監視員達が歩き回っていて、展覧会場というより、何かお祭りイベント広場にいるような感じで、作品鑑賞をする環境では到底ありませんでした。またこの会場では、展覧会の企画スタッフなのか、運営会社員なのか、黒いスーツ姿の女性スタッフ達が、会場内を走り回り、彼女らの(何故か)得意満面?の忙しげな仕事振りが、会場の雰囲気、来館者の気持ちを見事に壊していました。

会場でじっくり作品を鑑賞しているところに近寄ってきて、頼みもしないのに「この作品は・・・」などと説明を始めるスタッフもいます。来館者の中には館の学芸員よりはるかに作品に精通している人がいるかもしれないのに、失礼な上におせっかいなことだと思います。鑑賞の世界を壊され、内心腹をたてて「(説明は)結構です」などと断ろうものなら、露骨に不愉快な顔をするスタッフもいます。こういった監視員、スタッフは煩く接客するデパートの販売員のようで、観客の思考を妨げるはなはだ迷惑な存在です。

こういった監視員、スタッフの行為は、ある意味、熱心さの表れなのかもしれませんが、全ては展覧会を開催する側から監視員に対する事前レクチュアの無さ、説明不足によるもので、監視員の勘違いだけではありません。

展覧会場というところは、催す側の意図が集約されるところですが、どれだけ細心の注意を払っても完璧ということはありません。そのため会期中に細かい手直しが必要にもなります。当然監視員にもそういった精神が要求されるわけで、会場の雰囲気を壊すような行為は厳禁であり、来館者に対し失礼があってはならないものです。展覧会の監視員は、いわばスポーツ試合の審判員といっても良い存在で、会場での観客によるルール違反を注意する者です。かといって威圧的に注意をする存在でもありません。そっと注意を促す、といった心得が必要な仕事です。

威圧といえば、学芸員なのか、キュレーターなのかは分かりませんが、来館者に対して高圧的な物言いをするスタッフがいます。そういった人達は、なぜか黒いスーツを着ている若い女性が多いのですが、見るからに「私は美術のプロで、素人に専門知識を教えてあげる」といった説明の仕方をします。その話を伺ってももほとんどの場合は失笑ものの場合が多いのですが、自意識過剰というか、逆に自信の無さがそうさせるのか、そういった物言いをするスタッフが多いのも事実です。美術大学を卒業しなければ美術が分からないと考える、バカな作家達と似たような人達だと思います。

一方で論外な来館者もいます。最近の美術館では、非常識な客が監視員やスタッフを困らせることが多くなってきているのは事実です。会場内でタバコをくゆらす人や、「もっと高い場所で、この絵を見たいから脚立を持ってこい」などと監視員にとんでもない要求をする人もいると聞きます。大声で話したり、笑いあったりする客もよく見かけることで、こういったさまざまな無作法に対応しなければならないのも監視員、スタッフの役目ではあります。しかし観客の無作法と監視員、スタッフの心得違いとはおのずと違います。

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今回は美術館の監視員、スタッフについての不満を書きました。こういったこと多くなってきたのは、このところの世相、人心の乱れが反映しているのかなどと考えています。

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<きょうのおまけ>

0014

クリスマスなので母子像です。とは言ってもマリアとキリストではなく、紀元前中国・漢の『母子像』です。玉石で作られています。素朴な造形ですが、子供を抱いた母の姿は、大いなる母の愛を感じさせます。(高6.5cm)

この母子像にご興味のお有りの方はコメント、メールなどをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。

yoshida art

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071224_074301_3 「クリスマスには七面鳥を食べるんですってネエ。ワタシ七面鳥って知らな~い。ニワトリも本物って見たことがな~い。茹でた鶏肉は大好きだけど。」

ではまた。

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