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無理な取り合わせ。

美術作品を展示する処は、ある意味、異空間といえます。ヨーロッパなどの財閥コレクター達が、壁一面に絵画コレクションを展示し、「○○の部屋」などとしてあるのは、いわば異空間を現出させるという意味があったようです。現代のようにリビングにお気に入りの絵を飾り、生活を楽しむ、というわけではなさそうです。こういったことで思い出すのは、女優の東山千栄子さんが生前、自宅の壁に、ドガの「踊り子(複製)」を飾り、その前で”お鰻(うな)”を食べるのを至福の喜びとしていた、といいます。東山さんの人柄が偲ばれるエピソードです。鰻重とドガの絵、という取り合わせを生活の中で楽しむセンスはなかなかのものだと思います。

0043_2 そして取り合わせ、という話です。取り合わせに無理のある企画展だな、と思ったのが現在、東京・渋谷BUNKAMURA ザ・ミュージアムで開催されている『ルノアール+ルノアール展』(~5月6日)です。

父である印象派の画家、ピエール=オーギュスト・ルノワールと、その息子で映画監督のジャン・ルノワールの、いわば息子が父から受けた影響、例えば父の絵画作品の構成を、息子が映画画面に投影させている・・・、という展示説明ではあるのですが、会場を観たかぎりでは、何とも付けたりの理由にしか思えないのです。

0051 根本的に表現方法が違う、絵画と映画の構成を、ここのカットは父の作品の影響で、などと云ってみても「フ~ン。親子なんだから、親の作品を観ていればそういうコトはあるんじゃないの?」という感想しか湧きません。

0052 たしかに息子であるジャンの映画作品は『ピクニック』、『河』、『フレンチ・カンカン』、『獣人』、『十字路の夜』など名画というに相応しいものが多く、映画史を変えたといわれるほどの作品を創ったのは事実です。しかし映画作品のカットと、印象派の画家である父、ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品との共通性を比較して、どうなるものだろう?と思います。さる批評でも”近くて遠い二つのメディアの比較まで安易に持ち込み、無理が生じた”ということが述べられていましたが、その通りの展示ではないかと感じました。

また、会場の設営がどうにも落ち着かないもので、天井から下がった映像投影画面と、壁面の絵画との折り合いの悪さには、正直言ってイライラさせられました。展覧会というより安手のテーマパークというような、展示演出のお粗末さが目だってしまった感じでした。

こんな割り切れない展覧会は多分初めてか・・・などと思いながら渋谷の街を歩きました。

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<きょうのおまけ>

Cimg2728 『インク瓶』(イギリス・19世紀)

高16cm、口径3.4cm、底径6.5cm。

この瓶にご興味のある方は、メール&コメント等をお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。

yoshida art

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080306_104301_3 「眠いのヨ~~。春だから~~~?。」

ではまた。

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