展示の未熟さはテーマも壊します。
最近、時々訪れているのが、各大学に付属して開設されている博物館、美術館、資料館です。こういった館は全国の国公私立大学で、およそ40施設を超えますが、それぞれ大変立派な施設が設けられています。
今回訪れた東京農業大学「食と農」の博物館は、五月のゴールデンウイークだったせいか、子供向けの企画展示だったようでした。この博物館には、隣接してバイオリウムという熱帯植物園もあり、豪華といえるような施設でした。
同館の過去の展示資料などをみると、「屋久島の農業」「環境の歴史から生活を考える」「屋上緑化・壁面緑化」「ワイルドシルク・フェスタ」「紫サツマイモの秘密」「野菜の力、野菜の価値」等々、なかなかにディープな、それでいて「農」というスタンスから環境、生活を史観するというアグレッシヴな姿勢を保っていたと思われますが、今回、2階にあった企画展示は何故か「日本の酒器」?。
一方、1階にある『センサーカメラでみる野生動物の世界』という展示では、野生動物「ヒグマ」「ツキノワグマ」「イノシシ」「仔イノシシ(うり坊)」「針ねずみ」「ネズミ」等々の剥製が展示されていました。私などは、四足で毛がある動物は何でも好きで、それぞれの剥製に触ってみて、生命、体温の無い毛はやはり伝わってくるものが少ない、などと思いながら、それぞれの毛の感触を楽しみました・・・。しかし楽しいのもそれだけで、これらの展示を眺めると、大学の研究成果としては、何ともいまひとつという感じがしました。これだけ立派な博物館を作り、広い展示空間を有しながらこういう展示か・・・と思ってしまったのは事実です。どうしてもまとまりのない展示という印象が残りました。
現代日本の食糧自給率の問題、農業生産に関わる諸問題、収益性の高い農産物、次世代の農業関係者の育成、ユニークな新規農業の在り方等々、沢山の課題を抱えた農業を専とする大学の研究姿勢がリアルに伝わってくる展示ではありませんでした。
こういった施設では、各専門分野の深い洞察や、研究結果などが記されている資料の展示、閲覧、そして研究過程に於いて必要とされた実物資料の展示、という形式になるのが本来ではないかと思われますが、このところ訪れている各大学博物館では実物を展示するだけの形式が多いようで、その研究のバックグラウンドが見えない展示が大半のように思います。そして残念なのは、その実物展示の未熟さです。もともと研究者は展示のプロではないうえに、単純に来館者の嗜好に阿るような形が多いようです。
最近では展示デザイナーという肩書きを持った人達がいて、夫々の持論を展開させたるしていますが、そもそも展示を専らとする人達は、持論など持てるハズがありません。もし、あるとすれば、その都度、研究員、学芸員の研究資料をどれだけ深く読み、理解するか、ということに尽きると思います。そしてそこで欠くべからざるものは、観客への徹底したサービス精神だけだと思います。あざとく云えば「観てもらってナンボ」という精神です。
そういったことから云えば、これまで観てきた各大学の付属展示施設は、そのような考え方に至ってないように思います。それぞれ入館料が無料だったり、低料金なのは大変に良いことですが、展示自体はどこかでも観たようなモノマネ的展示が多く、安直さから免れていません。
これは一般の美術館、博物館にもいえることですが、自画自賛の展示や、観客の視線をないがしろにしたもの、素直には理解できない展示等々が多く、観客がわざわざ足を運び、それなりの入館料を支払う、などという基本概念をどこかに忘れたような展示が多いのは事実です。来場者へのアプローチを忘れた展示は、展示とは言えません。お金が、予算が、ということではなく、どれだけのアイディアと知恵が詰まっているか、が面白い展示といえますし、それが来館者へ研究者の想いを伝える術だと思います。
またこれは付けたりですが、展覧会毎に発行されるパンフレット、展示解説などの資料のほとんどは、一般的に理解の範囲を超える内容が書き綴られているものが多く、中にはほぼ解読不能といった文章も多くあります。難解に?解説を説くだけが解説資料でもありますまいに。
学芸員、研究者は展示の専門家ではありません。展示専門家に任せるべきだ、と思います。展示の未熟さは、研究した全ての作業を壊します。
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<きょうのおまけ>
高15cm。
一合半はたっぷり入る容量です。
この水瓶にご興味のお有りの方は、コメント&メールをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。
yoshida art
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「コンニチワ、蕾で~す。このところ暑かったり、寒かったりで、パパも風邪ひいちゃったのヨ。皆さんも気をつけてネェ~。」
ではまた。
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