有元利夫の世界
正月二日から始まった『有元利夫展』(横浜SOGO・そごう美術館、25日まで)に行ってきました。
大小のタブローや、木版画、銅版画、そして立体など130点の作品が展示されていました。将来を嘱望されながら38歳の若さ、活動期間は10年にも満たないで、世を去った創作者の世界がありました。
中世のフレスコ画やバロック音楽などのほか、日本画の影響も受け創作された作品群には、人物の特徴である、小さい頭部に太い首、太いボディ、そして細い手首の女性達や男性像が描かれ、それぞれの人物は何かに向かって敬虔な祈りを捧げているかのようでした。
作家年譜には、1946年生まれ。都内の高校から東京藝大デザイン科に5回受験し合格した、とありました。卒業した年に藝大日本画科の女性と結婚したそうです。卒業して電通に就職することになっていたのです。しかし電通には2年程しか在籍しなかったようです。在職期間中にも個展を開催したりしていて、電通の仕事はどうだったんだろう、などと下世話な興味を持ってしまいました。藝大卒業制作の作品は大学買い上げとなっており、サラリーマンという枠では自分の世界は広げられなかっただろうと思います。
またまた下世話な話ですが、いま、藝大や美大を受験する場合、3浪、4浪は当たり前で、受験生がそういった予備校や塾に行くと、前もって、「数年の浪人は覚悟しておいてください」と云われるそうです。私の知り合いの画家達も、ほとんどが3浪、4浪でしたし、彼らが指導している高校生達にも同じことを言っている、と聞きました。一代の俊才とされた有元氏でさえ4浪している、ということは、高校3年間、そして予備校3~4年、大学で4年、そして大学院で最低2年。つまり最低年月でも12年間勉強し、その結果は、卒業生のほとんどは、世に認められない芸術家?となるのです。教員や塾の講師など、習得した技術を活かせる人は、まだ良いほうで、芸術とはまるで関係の無い職業についている人達も数多くいます。そういった人達を多く見てきて思うのは、12年間の学費や、親御さん達のさまざまなバックアップは大変なものだということです。つくづく子供の将来なんて親の知り得るところではないのだ、と思ってしまいます。
しかし、世に認められる作家達の作品は、好みの問題はありますが、それぞれに『力』があります。作家の『想い』があります。技術があるのは当然で、観る側の想像する外に大変な書き込みをしています。努力することを自分に課す、ではなくて、自分が当たり前に行なうこと、が他の人には、努力、と映るのだと思います。
こういう人達は実力のあるスゴイ人達なのですが・・・何かスゴ~ク勘違いをしているゲイジツカ君達も沢山居るのです。以前、私がレンタルギャラリーを経営していた時に、1月頃こんな電話がかかってきました。「もしもし、私、藝大をこの春卒業する者ですが、個展をやりたいんですが。」私「はいはい結構ですよ。レンタル料はOOOO円です。」学生「いや、レンタルじゃなくて、そちらの企画で(つまり費用はギャラリー持ちで)やりたいんですよ。」私「まだ、そちら様の作品を拝見したこともないので・・・作品ファイルなどを持ってきていただいてから、改めてお話を・・・・」学生「ファイルはありません。私、藝大油彩学科卒業予定なんですが。」・・・・いくら電話で話しても相手には、世間というもの、人という存在が分からないようでした。
などと書いてきましたが、頂いた年賀状のお返事もかこうと思っています(後出しかヨ、と云われそうですが)ので、今日はこんなところで。
この駄文を最後まで読んでいただいた方々、お風邪など召しませんようご自愛の程。
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〔今回のおまけ〕
この品物にご興味のお有りの方はコメントをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。
yoshida art
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