疲れましたァ、木喰展

最近は、健康食品として五穀米とか十六穀米といった商品が売り出されていて、健康志向のご家庭には評判が良いという話を聞きます。

昔、仏教の古義真言宗では出家した僧は『木食戒(もくじきかい)』という、守るべき規律があったそうで、『木食戒』とは五穀(米、麦、粟、稗、黍)、あるいは十穀(五穀、トウモロコシ、蕎麦、小豆、黒豆)を絶って、山菜や、木の実しか食べてはならないという戒律だそうです。穀類を食べずに、なおかつ修行するということで、果たして身体機能が保てるのだろうか、などと飽食の現代に生きる煩悩の徒は考えてしまいます。一心を究めようとするときの人間の身体能力は大変なものだと思います。

0078 こんな厳しい戒律を守り、日本全国を廻国修行しながら、およそ千体以上の仏像を彫り続けた木喰上人の仏像を観に、横浜の美術館に出かけました。『生誕290年・木喰展~庶民の信仰・微笑仏~』(~7月24日、横浜そごう美術館)という展覧会です。

会場には仏像およそ130点と、30点以上の資料が展示されていました。展覧会名にある微笑仏は、みしょうぶつ、と読むのだそうで、仏像の中に口元に笑みを浮かべたものが多く、伝統的な仏像彫刻とは異なった、荒削りで、素朴な作風が庶民の信仰を集めたということが分かります。

0079 木喰上人の生涯は、会場内の年表パネルなどでみると、享保3年(1718年)、現代の山梨県に生まれ、22歳で相模国(現・神奈川県伊勢原市)で出家、とありました。その後20年以上経た宝暦12年(1762年)に、45歳で師から木食戒を受け、木喰(もくじき)を名乗ったといいます。木喰が廻国修行に旅立つのは、それからなお10年以上後の56歳(安永2年、1773年)の時だったようです。

0080 廻国修行は、北海道の有珠山から鹿児島に至る日本全国にわたるものですが、最初に造仏したのは61歳の頃、蝦夷地であるというのが通説のようです。それ以後30年後の91歳まで廻国を続け、各地で造仏を続けたということです。初期の頃の仏像は、作風も荒削りで、仏像の表情も厳しく、沈んでいるものが多いということですが、その後次第に微笑を浮かべたものが多くなってきているようです。この微笑が木喰より100年ほど前に造仏していた円空とは違うところです。

0076_2 木喰上人は、91歳(1808年)まで造仏していた、ということが遺品から分かっているそうですが、その後消息を絶ち、遺族の記録では93歳(文化7年、1810年)にこの世を去ったといわれています。しかし確証はないようです。木喰仏は、本人の死後100年以上の間、民間信仰の中にあって、専門的な研究がなされることはありませんでした。民藝運動の推進者だった柳宗悦がこれらの木喰仏の存在を発見し、再評価したのは1924年(大正13年)のことです。

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会場に展示されている130体もの仏像を観て、正直疲れました。その疲れの中には、展示されている仏像に施されている「支えの道具」にもあります。像の後に金属の支柱を立て、その支柱から像の首、肩、もしくは胸部分を抑えるように黒くて太い棒が周っているのです。観ていて仏像を”拘束”している、という印象を受けたのは私だけでしょうか?。この支柱が施されている像では、思わず気持ちが引いてしまいました。

安定性の無い立体作品を展示する場合の固定方法は沢山あり、この会場でも透明な太いテグスを使っているものもありましたが、この黒い拘束支柱は、何ともいただけないものでした。せめて透明なアクリル性の押さえ具でも使って欲しかったと思います。各美術館、博物館などでの立体の固定方法はそれぞれ苦労されているのですが、仏像に対する日本人特有の恭しい気持ちと、展示側の考えの違いが浮き彫りになったような気がしました。人体彫刻や、立体作品などでは考えられない支柱です。もう少しデリカシイを持った展示にして欲しいと思いました。

疲れましたァ~。

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<きょうのおまけ>

Pa0_0071_2 花器=瑠璃水差し(中国・清)

花=バラ(Heritage)、イタリアンパセリ、スウィート・バジル。

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070719_113801 「こんにちは、菫(すみれ)です。最近は雨降りの日が多くて、ベランダに出ると自慢のピンクの肉球が濡れちゃうので、あまり遊べないのヨ。」

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詩人と酒の思い出

「言葉なんかおぼえるんじゃなかった

日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで

ぼくはあなたの涙のなかに立ちどまる

ぼくはきみの血のなかにたったひとりで帰ってくる」

       (田村隆一詩集内、「帰途」より、抜粋)

0064 戦後を代表すると云われ、斗酒なお辞さずと言われ、人をこのうえなく愛し、言葉と文字と現代に透徹した眼を持った詩人、田村隆一が亡くなって十年。回顧展『田村隆一~詩人の航海日誌~』(~7月6日)が鎌倉文学館で行なわれているというので、梅雨寒の日に赴きました。

田村さんは大正12年、東京生まれ。15歳から詩作を始めたといいます。

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私にとって生前の田村さんは、私が手がけていたテレビ番組の取材対象である一方、そのビビッドな詩文に現される鋭い現代批評の旗手でもありました。生涯で700篇を越える詩を世に送り出した、現代の詩壇を代表する稀有の人でした。

0063 長身で細身、実に格好がいい姿でした。鎌倉のどこでお会いしても酩酊気味。「お~い、どこへ行くんだ。そのカメラ(TV用)で、オレを写せよ」。あの時の田村さんの声がいまも耳に残っています。

時間に遮られることのない飲み会。店が看板になると「別の店に・・・」という際限のない飲酒時間が続き、そして鎌倉の病院の前で、白っぽいコートを着た田村さんの後姿を見かけたりもしました。半年飲酒生活、半年は入院生活、という・・・。当時私たち若造は、その計り知れないエネルギーに打ちひしがれ、畏敬の念を持ったものでした。

「皮膚の下には

どんな色の血液が流れているのか

たぶん 緑の導火線

その導火線が走って行く果てに

どんな花が開くというのか」

        (田村隆一詩集内、「皮膚の下には」より、抜粋)

酒、煙草、そしておよそ5回の結婚。ロアルド・ダール、アガサ・クリスティの翻訳。早川書房の最初の社員。そして田村さんは、人の心を震わせる『透き通った玉』のような詩を残しました。

「作品をして、わが『詩』を語らしめよ、というのがぼくの念願であって、それ以外に、詩について語る言葉を、ぼくは持たない」 

        (田村隆一詩集内、「祖父のこと、その他」、より抜粋)

享年75歳。詩人は鎌倉・妙本寺で眠っています。

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<きょうのおまけ>

080522_170601_2 花器=茶入れ(陶製、19世紀・ドイツ)

花=バラ(Ballerina)

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ここでも田村さんの詩を・・・。

「ぼくはまだ

猫の足音を聞いたことがない

桃色の耳の動きだけは

知っているつもりだが」

                (田村隆一詩集内、「足音」より、抜粋。)

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膀胱炎は痛い、ドクダミは美しい

080620_123801 およそ一ヶ月間、ブログの更新ができませんでした。その間もあちこちの展覧会には出かけましたが、それぞれ不満が残る展示だったことも、私の怠け癖を増長させた一因ではあります。

たしかに展覧会は、イベントのひとつではあるのですが、このところの展覧会は皆、どこかで見たような類型的なものが多く、伝えるもののないような気がしてなりません。

以前、某大手広告代理店が、イベントで、目新しい演出をして「これは新しい演出だ」と思ったことがあるのですが、その後どこの催しでも同じ演出をしていて、一年後には飽きてしまいました。柳の下の泥鰌は、そう何匹もいるわけではありません。昔は、他の人の演出を真似ることは恥としたもので、クリエイティブという仕事は、そういった矜持を持ったプロのものでした。新しい表現を開拓するのは並大抵の努力ではできませんが、最近は芸術家や表現者までが、他人の表現を真似たりするという、いわゆる著作権侵害で話題になることも多いようです。

自らの作品、表現は唯一無二ののものだ、という思い入れが希薄になっているような気がします。思い、という感情が弱くなっているのでしょうか。展覧会などを見ても、学芸員やキュレーター達の気迫の無さは、観る者にとって腰の引けるものです。主張の無い展示は、薄っぺらなものです。

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080620_123501 水無月も半ばを過ぎ、本格的な梅雨空です。この季節は雨の季節であり、花の季節でもあります。紫陽花はあちこちの名所に行列ができるような具合で、今が盛りという頃です。

昨年、このブログでも書きましたが、この季節はドクダミの花が美しい季節でもあります。蕺(どくだみ)、十薬、魚腥草ともいうようです。ある統計によると、ドクダミの匂いが嫌い、という人は50%を越える、という数字もあるようですが、私は好きです。こういった系統の香りは各種の香菜などにも共通するようで、パクチーもその系統に入るようですが、私はパクチーも大好きです。どんな食物にも香りがあります。味覚だけでなく香味も感じるのが料理を食べるという行為だと思うのです。少々しかつめらしく言えば、匂いを持つ人間が、匂いを持つ生物の生命を有難く「頂く」のが食事だと思います。

080613_105402 日本画で、ドクダミを描いた作品はあまり多くはないように思います。しかし、草木を描く作家が小品で描いた作品は何度も観たことがあります。可憐でありながら凛とした姿のドクダミは、この季節の象徴的な草花だと思います。

080613_105301 最近、知人から”八重のドクダミ”を分けてもらいました。十字に花弁がある一般的なドクダミに比べて、花弁が沢山ついていて、華やかなものです。(右画像)

英国のガーディナーが、「グランドカバーとしてスタープランツ(ドクダミ)は素晴らしいものです」と云っていた記憶があります。雨模様の空の下、白い小さな花をつけたドクダミが一斉に咲いているのを見ると、生命力が漲っていて感動します。

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<きょうのおまけ>

080524_073501_2 花器=盃(弥生時代)

花=バラ(Souvenir de La Malmaison)

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080503_084102 「こんにちは~。蕾(つぼみ)で~す。ワタシね、この間、お腹が痛くってアォ~ンって鳴いたのヨ。そしたらパパとママが大慌てで病院に連れていってくれた。お医者さまは、膀胱炎ですネって。大きな注射と小さな注射をされて、痛かったけれど、もう良くなったワ。膀胱炎って女性に多いンですって。皆さんも気をつけてネ~~。」

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佐伯祐三・早世した才能と浮世の話

美術館を建設する、という事業はさまざまに大変なことで、当初は文化的目的の建造物という観点から、行政の力が必要であるのが常道のようです。行政の力を借りずに美術館を建設できるのは、よほどの財閥でもなければ不可能に近い、というのが通説です。作品の収集、館の建設などは並大抵の資金では出来ません。

大阪市制100年を記念して、設立計画中である大阪市立近代美術館も、館の建設に難航していると聞きます。現在は大阪市役所内に準備室のあるこの美術館は、以前、有名な絵画コレクター・山本発次郎氏が、佐伯祐三等の多数のコレクションを大阪市に寄贈したことがきっかけで計画が始まったようです。しかし、建設地や建設費の問題などで、いまだに緒についていない状態だということです。

0068_5 その大阪市立近代美術館準備室が所蔵する、佐伯祐三の作品を借り出して、5月10日から、横浜のそごう美術館で行なわれているのが『没後80年 鮮烈なる生涯 佐伯祐三展』(~6月22日)です。佐伯の作品80点が展示されているということで観に行きました。

佐伯祐三は、明治31年(1898年)、大阪市生まれ。昭和3年(1928年)にフランスで亡くなっています。大阪の寺の次男として生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)西洋画科で、藤島武二に師事しました。在学中に同じ学生だった妻、米子さんと結婚しています。米子さんは二科展などにも入選している女流画家でした。

0069_4 佐伯祐三の代表作と呼ばれる作品のほとんどは、フランス・パリで描かれています。最初の渡仏は大正13年(1924年)から約2年。渡仏後健康を害したこともあって、一旦帰国するものの、昭和2年(1927年)に再び夫婦共々フランスに渡り、佐伯は再び日本の土を踏むことはなく、昭和3年(1928年)、結核の悪化と精神面での不安定から、セ0070_2 ーヌのヴィル・エヴラール精神病院で亡くなりました。30年の生涯でした。

フランス滞在中のエピソードは沢山あり、佐伯の作品を見た巨匠ヴラマンクから一喝された話などは有名です。この後、佐伯の画風は一変し、モチーフもパリの街頭風景を描き始めます。一説ではヴラマンクとユトリロの影響を強く受けたということですが、建物が斜めに傾いだような作品群は佐伯の精神を想わせる独特の世界です。

0072 会場で作品を観ながら想ったことは、佐伯没後、帰国した妻の洋画家・米子さん(後年、三岸節子達と女流画家協会を設立。昭和47年に75歳で没)が、佐伯の精神カウンセラーで、支援者である某氏に宛てた書簡に「私は佐伯の作品に加筆していた」ということが書かれているということです。(共同通信社取材)。その手紙には「彼のそのままの絵0073 では誰も買って下さらないので、私が手を入れております。彼もそれを望んでおりました。」と書かれており、加筆の細かい手法まで記されていた、ということです。ということは、佐伯祐三作品の全てとはいわないまでも、多数の作品は佐伯夫妻の合作による、ということになるようです。

しかし、見方によっては、それも良いのではないか、と思うのです。作家の身近な人が作品に加筆したりするのは、画壇としては眉を顰める行為でしょうが、私などのような一般鑑賞者としては、あまり執着するようなことではないような気がします。事実は事実として、そのような制作過程だったのですから、後は認知するしかありませんし、夫婦の合作として鑑賞すれば良いだけのことだと思います。

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0074_2 先日、資料をチェックしていましたら、1989年11月に行なわれた佐伯祐三の展覧会のチケット(画像右)が見つかりました。会場は今回と同じ横浜・そごう美術館です。展覧会名は『佐伯祐三とエコール・ド・パリの仲間たち展』というものです。そして印刷されている作品は今回と同じ「郵便配達夫」。

この作品は、今回も会場の最後に飾られており、一種特別という感がありますが、趣旨こそ違え、19年前の展覧会と同じ図柄のチケットというのは・・・。それとも今回は意図的に?などと思ってしまいました。

惜しくも早世した作家のエピソードも勿論、おまけに展覧会チケットのことなど、いろいろ考えさせられる展覧会でした。

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<きょうのおまけ>

080522_170601 『陶製茶入れ』(19世紀、ドイツ)

高12cm。

花はBallerina。

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080522_165301 「菫デース。今日なんか暑くて、夏みたいヨ。でもワタシ、元気そうでショ。これから梅雨ってのが来るんだって。どんなンかしらネェ。美味しいのかしら。」

ではまた~。

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バラの季節・其の五

今季の我が家の鉢植えベランダ・バラは、どれもこれも問題のない咲き方をしています。前回に引き続き、開花し始めたバラをご紹介します。

今回の最初は『Mme. Plantier』です。蕾から開花まで随分時間がかかりました。080518_110202             

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次は、『Pierl de Ronsard』。このバラも蕾から開花まで、随分の日数がかかります。これもまだ咲ききってはいません。花輪が重すぎて、項垂れて咲いています。完全開花まではあと数日かかりそうです。

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次は、クラシカルな華やかさでいかにもオールドローズといった風情の『Irene Watts』です。

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080518_110301_2 続いては、『Heritage』。

他のバラよりもゆっくり咲き出しました。

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今回の最後はやっと咲き出した『Ice Berg』です。

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皆さんのお宅のバラは如何ですか?

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<きょうのおまけ>

080510_210501 『インク瓶』(19世紀・イギリス)

高16cm。

花は『Matilda』

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080516_085702 「ワタシィ、ホントにパパのお腹の上が好きで、昼寝はここって決めているの。ワタシの顔の後ろに見えているのがパパの足でェ~す。」

ではまたァ~。

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バラの季節、其の四

我が家のベランダで咲き出したバラ達。今回は初めに、これまでご紹介してきたオールドローズ、イングリッシュローズなどとは違う、モダンローズに分類される『Matilda』をご紹介します。

大輪ですが可憐で艶やかな姿を見ると、人気の高い理由が分かります。Floribunda Rose、1988年にフランスで作られた種類のバラです。

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次はモダンシュラブ(Modern Shrub)のハイブリッドムスク系(HMsk)、『Fericia』です。

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現在、咲き初めたのは、『Santa Monica』です。黄色の大輪です。

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次は『Mme. Plantier』。まだほんの咲き初めといったところです。

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次は、まだ蕾の『Pierl de Ronsard』です。

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今回の最後は、咲き始めた『Ballerina』です。無数の蕾がついています。

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次回は、『Heritage』、『Ice Berg』、また蕾の開いた『Pierl de Ronsard』などをご紹介します。

皆様のお宅のバラは如何ですか?。

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<きょうのおまけ>

080510_151201 『バカラ・ゴブレット』

バカラの初期のものです。鉛の含有量が多く、爪先で弾くと透き通った良い音がします。

高11.5cm。口径7.2cm。

花は『Matilda』。

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080516_085701 「菫で~す。最近ワタシィ、パパのお腹の上でお昼寝することが多いのヨ。アッタカイの。」

ではまた~。

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展示の未熟さはテーマも壊します。

最近、時々訪れているのが、各大学に付属して開設されている博物館、美術館、資料館です。こういった館は全国の国公私立大学で、およそ40施設を超えますが、それぞれ大変立派な施設が設けられています。

0067_2 今回訪れた東京農業大学「食と農」の博物館は、五月のゴールデンウイークだったせいか、子供向けの企画展示だったようでした。この博物館には、隣接してバイオリウムという熱帯植物園もあり、豪華といえるような施設でした。

同館の過去の展示資料などをみると、「屋久島の農業」「環境の歴史から生活を考える」「屋上緑化・壁面緑化」「ワイルドシルク・フェスタ」「紫サツマイモの秘密」「野菜の力、野菜の価値」等々、なかなかにディープな、それでいて「農」というスタンスから環境、生活を史観するというアグレッシヴな姿勢を保っていたと思われますが、今回、2階にあった企画展示は何故か「日本の酒器」?。

一方、1階にある『センサーカメラでみる野生動物の世界』という展示では、野生動物「ヒグマ」「ツキノワグマ」「イノシシ」「仔イノシシ(うり坊)」「針ねずみ」「ネズミ」等々の剥製が展示されていました。私などは、四足で毛がある動物は何でも好きで、それぞれの剥製に触ってみて、生命、体温の無い毛はやはり伝わってくるものが少ない、などと思いながら、それぞれの毛の感触を楽しみました・・・。しかし楽しいのもそれだけで、これらの展示を眺めると、大学の研究成果としては、何ともいまひとつという感じがしました。これだけ立派な博物館を作り、広い展示空間を有しながらこういう展示か・・・と思ってしまったのは事実です。どうしてもまとまりのない展示という印象が残りました。

現代日本の食糧自給率の問題、農業生産に関わる諸問題、収益性の高い農産物、次世代の農業関係者の育成、ユニークな新規農業の在り方等々、沢山の課題を抱えた農業を専とする大学の研究姿勢がリアルに伝わってくる展示ではありませんでした。

こういった施設では、各専門分野の深い洞察や、研究結果などが記されている資料の展示、閲覧、そして研究過程に於いて必要とされた実物資料の展示、という形式になるのが本来ではないかと思われますが、このところ訪れている各大学博物館では実物を展示するだけの形式が多いようで、その研究のバックグラウンドが見えない展示が大半のように思います。そして残念なのは、その実物展示の未熟さです。もともと研究者は展示のプロではないうえに、単純に来館者の嗜好に阿るような形が多いようです。

最近では展示デザイナーという肩書きを持った人達がいて、夫々の持論を展開させたるしていますが、そもそも展示を専らとする人達は、持論など持てるハズがありません。もし、あるとすれば、その都度、研究員、学芸員の研究資料をどれだけ深く読み、理解するか、ということに尽きると思います。そしてそこで欠くべからざるものは、観客への徹底したサービス精神だけだと思います。あざとく云えば「観てもらってナンボ」という精神です。

そういったことから云えば、これまで観てきた各大学の付属展示施設は、そのような考え方に至ってないように思います。それぞれ入館料が無料だったり、低料金なのは大変に良いことですが、展示自体はどこかでも観たようなモノマネ的展示が多く、安直さから免れていません。

これは一般の美術館、博物館にもいえることですが、自画自賛の展示や、観客の視線をないがしろにしたもの、素直には理解できない展示等々が多く、観客がわざわざ足を運び、それなりの入館料を支払う、などという基本概念をどこかに忘れたような展示が多いのは事実です。来場者へのアプローチを忘れた展示は、展示とは言えません。お金が、予算が、ということではなく、どれだけのアイディアと知恵が詰まっているか、が面白い展示といえますし、それが来館者へ研究者の想いを伝える術だと思います。

またこれは付けたりですが、展覧会毎に発行されるパンフレット、展示解説などの資料のほとんどは、一般的に理解の範囲を超える内容が書き綴られているものが多く、中にはほぼ解読不能といった文章も多くあります。難解に?解説を説くだけが解説資料でもありますまいに。

学芸員、研究者は展示の専門家ではありません。展示専門家に任せるべきだ、と思います。展示の未熟さは、研究した全ての作業を壊します。

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<きょうのおまけ>

0011_5 『水瓶』(中国・宋)

高15cm。

一合半はたっぷり入る容量です。

この水瓶にご興味のお有りの方は、コメント&メールをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。

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080503_084102_2 「コンニチワ、蕾で~す。このところ暑かったり、寒かったりで、パパも風邪ひいちゃったのヨ。皆さんも気をつけてネェ~。」

ではまた。

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バラの季節、其の参

ここしばらく、例年を上回る、夏のような気温が続く毎日でしたが、これから数日間は気温が下がる、などと予報されています。何か異常気象のような感じがします。しかしこれで、花を長く楽しめるのでは、などという想いもあります。

080509_055001 『Spanish Beauty』は、もう群生といった感じになりました。

080509_055101 『Cook Tail』も同様で、満開といった感じです。

080507_055801 『Irene Watts』はその重さに項垂れているような花萼の大きさです。花の直径は10cm以上です。

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もうすぐ、という気配のバラは

080510_061801 『Fericia』です。

          

080510_061802 そして、少し咲き出した『Mme.Plantier』

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『Pierl de Ronsard』ももうすぐです。

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次回は、『Santa Monica』。蕾が少し脹らんできた『Heritage』。開くにはもう少し、という『Souvnir de la Malmaison』。また無数の蕾をつけている『Ice Berg』。そして『Ballerina』。等々の開花の様子をご紹介しようと思っています。

皆さんのお宅のバラは如何ですか?。

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<きょうのおまけ>

080509_185601_2 『水瓶(中国・宋)』、高15cm。

花=Irene Watts

この水瓶にご興味がお有りの方はコメント&メールをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。

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071224_074301 071231_144102 「急に気温が低くなると風邪をひくから、皆さん注意してね~。立夏も過ぎたっていうから、アタシ達ももう夏服に替えようと思っていたのよ。アブナイ、アブナイ。」

ではまた。

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バラの季節、其の弐

先日、今年のバラの開花の様子をお知らせしましたが、その後あまりにも次々と咲き始めましたので、少し呆けてしまい、今日になってしまいました。

080503_082802 まるで牡丹のように大きな花をつけた『Spanish Beauty』は本当に沢山の花をつけています。

080507_055801 『Irene Watts』は今年も優雅に花弁を広げ始めました。

080507_055901 『Matilda』も元気で、蕾も数多くつけて、大きな花弁を広げています。

080502_064501_2 『Fericia』は咲き始めです。

いま咲きかけているのは、

080508_170901 『Mme. Plantier』

080508_170902 そして大きな蕾の『Pierr de Ronsard』

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あと数日で開花するのが『Heritage』。

そのあとは『Ballerina』、『Ice Berg』が続きます。

我が家のバラ達は全てベランダ鉢植えですが、今年は陽気が早いせいか、いずれも早くから咲き始めました。四季咲き、一季咲き、Old rose、Engulish rose、それぞれ今が咲き始めです。蕾も沢山ついていてこれからどれくらいの期間を楽しめるか、と思っています。

朝、窓を開けると、数種類の芳香が室内になだれ込んできます。いまは『Cook Tail』、『Spanish Beauty』、『Irene Watts』、『Matilda』、『花霞』などの香りです。そしてこれから次々と・・・です。

皆さんのお宅のバラは、如何ですか?。

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<きょうのおまけ>

080506_210701_3 『藍彩水差し(中国・清)』

高15cm。

花=Cook tail。

この水差しにご興味のお有りの方は、コメント&メールをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。

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080503_082301 「立夏って、もう夏になりました、ってことなんですって?。最近暑いのはそのせい?。ねむ~い。」

ではまた。

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バラの季節、其の壱

080502_064401 今年最初に咲き出したバラは『Cook Tail』でした。数え切れないほどの蕾をつけて、四月末に開花しました。これからのシーズン、どれだけの花を咲かせるのか。あたりに独特の甘い香りが漂っています。

080503_082802 そしてゴールデンウイークにさしかかった頃に『Spanish Beauty』が、咲き出しました。花径が約13cm。大きい花です。これも蕾が沢山ついています。香りは抜群です。

080502_064402_2 沢山の蕾をつけ、これからの開花を待っているのが『Irene Watts』、『Fericia』、『Mme. Plantier』、『Pierr de Ronsard』、『Heritage』、『Ballerina』、etc。

オールドローズ、イングリッシュローズ、さまざまです。

あぁ今年もまた、バラのシーズンが来たのだ、と思います。

皆さんのバラは如何ですか?。

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<きょうのおまけ>

Ts380045 『古代ローマの土製ランプ、李朝白磁鶴首瓶』

バラはSpanish Beauty。

このランプと李朝白磁にご興味がお有りの方は、コメント&メールをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。

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080503_082201 「ワタシ、籠猫になっています。でも最近ムシ暑くなってきたので、このベッドが気に入っているの。」

ではまた。

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アール・デコと狛犬

都心や周辺の地域では櫻の季節も過ぎ、このブログもそのあたりのほぼ一ヶ月程お休みしました。お読み頂いている皆様には大変失礼を致しました。

080416_113001 先日、東京都港区白金台にある『東京都庭園美術館』に行ってきました。この美術館はご存知のように、旧宮家の朝香宮(あさかのみや)邸を美術館としたものですが、およそ一万坪の敷地の中にある、国内で現存する唯一といっていいアール・デコ様式の建物です。

朝香宮は、明治39年に久邇宮家朝彦王の第八王子、鳩彦王(やすひこおう)が創設された宮家ですが、戦後、昭和22年に皇籍を離脱されています。この間、鳩彦王はフランスに留学し、当時のフランス芸術に心酔されたようです。そして昭和4年、現在に残る朝香宮邸を建設されました。基本設計は当時の宮内省内匠寮の建築家が担当しましたが、鳩彦王がフランスの装飾デザイナー、アンリ・ルパン氏に、大食堂、大客間、書斎などの主要部屋の内装デザインを依頼したそうです。玄関の大きなガラスレリーフは、ルネ・ラリックの作品という、フランスを代表するアール・デコの作家達が腕をふるった建物です。当時はこの建物に朝香宮家6人の家族が暮らし、20人以上の使用人が常駐していたといいます。宮家が皇籍離脱後、この建物をお気に入りだった当時の外相、吉田茂が公邸として、首相となってからは迎賓館として使いました。その後東京都が買い取り、昭和58年に現在の東京都庭園美術館として生まれ変わりました。また平成5年に東京都有形文化財に指定されています。

鳩彦王がフランス留学中に、義兄の北白川宮成久王夫妻とのドライブで事故を起されて、運転していた成久王は死去。夫人と鳩彦王も重傷を負ったという事件がありました。鳩彦王は看病に駆けつけた允子夫人と共に3年半程の療養生活を送られたことがあり、そういった思い出と共に、この建物を建設されたという話も聞きました。

080416_112801 ところで。この美術館の入り口の両脇には、青銅製の狛犬が居るのです。左の『阿』の狛犬は、丸い籠に入った珠を前足で押さえ、右側の『吽』の狛犬は、仔狛犬を遊ばせて?います。狛犬自体もかなり大きなもので、座った高さは1メートル以上もあります。

アール・デコの建物の入り口に狛犬、というのは、イメージがなかなか面白いので館に伺ったところ、「朝香宮家のどなたか(多分、鳩彦王)が、骨董店で購入し、以080416_112901 前は朝香宮別家に置いていたのだが、その後こちらに移したもの・・・らしい」ということでした。なお「狛犬の製作者や来歴は調査中です」というお話でもありました。

この季節、美術館の周囲は美しい新緑に包まれて、配置されている白い椅子、テーブルには、近所の若い奥様達が子供を連れてきて憩う、という光景を眺めつつ、「なぜ、狛犬???」という謎を考え続けたました。しかし、アール・デコを愛でるような方は、日本の古美術にも興味があるのは当然で、鳩彦王も骨董、古美術店に足繁く通っていらっしゃったのではないか、と想像を逞しくしました。

080416_112902 狛犬の「コワイイ(怖い+カワイイ)」顔は、心和ませるものでした。

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<きょうのおまけ>

Cimg2735_2 『くるみ割り・鉄+柄は木製』

(19世紀、フランス)

長15.3cm。

このくるみ割りにご興味のお有りの方は、コメント&メールをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。

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080211_085201 「春になったしィ、サラダの美味しい季節じゃない?。」

ではまた。

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清廉な才能

0059_2 昔風の云い方をすれば、血筋は争えないというのでしょうか、それとも親の天分が子に受け継がれた稀有の例、というのでしょうか、明治の女流画家、上村松園の子息で、日本画家集団・創画会の創始、上村松篁の回顧展覧会を見ました。(横浜・そごう美術館、~3月24日)

上村家の日本画家としての伝統は、母・松園(しょうえん)、子・松篁(しょうこう)、孫・淳之(あつし)と、三代にわたって受け継がれていますが、今回の展覧会は2001年に亡くなった松篁の作品、65点が展示されています。これらの作品は奈良市にある松伯美術館が所蔵しているものです。

母・松園は、気品のある女性を描いた作品に定評があり、女流画家として初めての文化勲章を授賞した日本画家。そして子息の松篁も花鳥画を描き、同賞を授賞した画家でもあります。そして孫で現在、日本芸術院会員で京都芸術大学名誉教授、松伯美術館館長の淳之氏も日本画家。

0058 このように親子三代での日本画家というのは、あまり例のないことなのではないか、と思いますが、このような才能の伝承はどのように受け継がれてきたのか、と思います。父も母も画家、その息子が、孫が、という画家一家というのはよく聞きます。芸術家一家というのでしょうか。下世話なことではありますが、松篁の母、松園は結婚したという事実は無いようで、松篁の父、という存在は、一般的にはつまびらかにされていないようです。母・松園をモデルにしたと云われる、宮尾登美子の小説『序の舞』を読むのが、唯一、そのあたりの想像力を働かせることなのかも知れません。

0061 会場で松篁の花鳥画や童子等の作品を観て、その素晴らしさに改めて感銘を受けました。私は素人目に「上手い」と思う作品は、万人に通用するものだと思っていますが、松篁の作品はそれだと思います。これまでの数ある日本画家の中でも、植物を描く力は群を抜いているのではないかと思います。清楚でありながら豊かな色彩、そして構図の見事さは、衝撃と云えるほどのものでした。これまでも折にふれ松篁の作品は観ているのですが、これほどの作品群は圧巻でした。

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0062_2 さる美術大学の教授が、生徒達に「素人に分かるような絵を描いているようじゃ駄目だ」などという意見を言っているのを聞いたことがありますが、私は(絵の)素人に分からないような絵を描いているうちは、その作家は大成しないのだろうと思います。どれだけ平明な絵を描くかが才能であり、技術は一般的には隠されているという作品が、万人の心を打つ作品なのだろうと思っています。描く技術というものは、画家にとっては当たり前に必要なものであり、それをひけらかすのは、それこそ素人、と思っています。技術だけでは人の心は打てません。

人の情念を描くのが画家の習い、とは思いますが、その作家の思想の高さが、作品の、作家の清廉さを際立たせるものだと思う一方、日本画壇のこれまでを仄聞すると、作家同士、師匠と弟子といった人間関係が複雑で、ドロドロしたものがあるようです。その上にこのような見事な作品が生まれる、という、人間の精神構造の不思議を垣間見た想いの展覧会でした。

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<きょうのおまけ>

Cimg2742_2 『辟邪(へきじゃ)・玉製』(中国・漢)

古代中国で、悪霊を追い払うと信じられた伝説上の神獣。

長6cm、巾3cm。

この辟邪にご興味のお有りの方はコメントメールをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。

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070524_174301_4 「ワタシで~ス。蕾(つぼみ)で~ス。春で~ス。みんなも春になったァ~?。」

ではまた。

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立派なコレクションではあるけど、展示が残念!

浅学の徒であれば、聞きかじりのことで皆様にはお許しいただきたいのですが、このブログをお読みいただいている皆様は、キスト、ディナール、ハッルーバ、キーラートなどという言葉をご存知でしょうか?。

これらは紀元600年~1500年頃にかけてのエジプトの人達が使っていた、様々な重量単位、貨幣単位などの名前です。

0055 重量などを規定する度量衡というものは、その時代の生活を知るのに欠かせない生活単位として、歴史学や生活史を辿るのに不可欠な要素でもあるのですが、今回、横浜の中区にある横浜ユーラシア文化館で催されている『エジプトの小さなガラスの円盤~中世イスラーム都市のくらし~』という展覧会(~5月18日)で、このような様々な古代の単位を知る貴重な機会を得ました。

0057 この展覧会は大まかにいえば、古代エジプトのスーク(市場)で使われていた、液体などの量を測るためのガラス製計量枡などに付けられた、その瓶の容量などを示すガラスの丸い印刻(グラス・ウエイト)の収集品、つまり本体の計量瓶、計量枡などから剥がされた、容量・単位を示す小さなガラスの円盤を展示したもので、地味でディープなコレクションですが、それぞれのガラスの色や形状、そしてその単位を利用しながら生活していた、当時のエジプトの人達の生活を彷彿とさせる、極めて滋味深いものでした。

現在でも時代もので高級なワインや、洋酒などの瓶にエンブレム(紋章)のようなガラスの丸い刻印が付いているものがありますが、現在は内容量などを示すものではなくて、威厳を示すために成されているようです。しかし、古代エジプトのイスラーム社会では、瓶の内容量、または貨幣の単位などを示すために、ガラスを溶かし、内容、価値、重さの証明として瓶や計量枡に鉄の刻印棒で押し付け、その容器の証明としたようです。(ヴェセル・スタンプというそうです)また、コインの証明であるコイン・ウエイトと呼ばれる刻印などもあり、それらの刻印のガラスの小さな円盤を収集したものが、今回の展示です。

0053_2 展示を観ると、前述したように当時の様々な重量の単位ばかりでなく、貨幣の単位、名称などが分かりますが、天邪鬼の私は、コレクターがこのディープな蒐集のためにどれだけの時間と金額を必要としたのか、などと下世話なことを考えてしまいました。蒐集したさまざまな瓶や、ガラス片などは無数であったと思われ、それらの中から、単位が明確なものや、希少なもの、また歴史的に重要な意味を持つものなどを選別し、系統的で学術的な裏付けをするのに、どれだけの時間と情熱が費やされたのかを考えると、その地道な努力に頭が下がる思いがすると同時に、素晴らしい時間の使い方だ、などと考えてしまいます。

0054 このようなコレクションを蒐集するためには、エジプトに於ける中世イスラーム世界の仕組みや、生活、またその刻印に記された文字の読み解き、そして、その度量衡や貨幣の単位が人びとの生活にどれだけの影響、恩恵をもたらしていたか、などの、いわば中世イスラームの生活史を勉強しなくてはならず、一般的な興味だけでのコレクションではなく、紀元後のエジプト史といった裏付けも必要となり、小さなガラスの円盤といった可愛い外見とは裏腹に驚くべき学術的コレクションといっていいと思います。

0056 勿論、門外漢の私などには、この小さな円盤の刻印のアラビア文字やコプト数字、マークなどの内容などは読めないうえに、その詳細は知りえないことではありますが、これらヴェセル・スタンプの他に展示されている当時のさまざまな計量器や、生活用具などを観ても、古代エジプト・イスラーム文化の質の高さ、文化度に感嘆しました。

久しぶりにディープな内容の展示を観て、己の浅学、不勉強が恥ずかしくなりました。但し、恥かしく思ったのは展示物の詳細を知り得なかったことであって、展示の演出は、通り一遍で、正直いって詰まらないものでした。もっと入館者に生々しく訴えかける展示ができたはずなのに、という残念な想いが残りました。また、各展示物の説明文が不親切であったのも、展示担当者の思いの浅さを感じました。

いずれの美術館、博物館などに云えることですが、展示物の展示演出方法は、もう担当学芸員等のセンスの領域ではないことを、展示する側はもっと知るべきだと思います。展示資料を整えるのは企画と共に学芸員の仕事であると思いますが、その資料を展示するのは展示のセンスを持った専門員の領域、ということです。

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<きょうのおまけ>

0013 『土製オイルランプ』(古代ローマ時代)

長10・7cm、幅7cm。

このランプにご興味がお有りの方はメール&コメントをお寄せ下さい。詳しいご説明を致します。

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071207_073901 「もう、虫サンが動き出したンですって?。啓蟄っていうの?。虫サンは食べたいほど可愛いワよネエ?。」

ではまた。

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無理な取り合わせ。

美術作品を展示する処は、ある意味、異空間といえます。ヨーロッパなどの財閥コレクター達が、壁一面に絵画コレクションを展示し、「○○の部屋」などとしてあるのは、いわば異空間を現出させるという意味があったようです。現代のようにリビングにお気に入りの絵を飾り、生活を楽しむ、というわけではなさそうです。こういったことで思い出すのは、女優の東山千栄子さんが生前、自宅の壁に、ドガの「踊り子(複製)」を飾り、その前で”お鰻(うな)”を食べるのを至福の喜びとしていた、といいます。東山さんの人柄が偲ばれるエピソードです。鰻重とドガの絵、という取り合わせを生活の中で楽しむセンスはなかなかのものだと思います。

0043_2 そして取り合わせ、という話です。取り合わせに無理のある企画展だな、と思ったのが現在、東京・渋谷BUNKAMURA ザ・ミュージアムで開催されている『ルノアール+ルノアール展』(~5月6日)です。

父である印象派の画家、ピエール=オーギュスト・ルノワールと、その息子で映画監督のジャン・ルノワールの、いわば息子が父から受けた影響、例えば父の絵画作品の構成を、息子が映画画面に投影させている・・・、という展示説明ではあるのですが、会場を観たかぎりでは、何とも付けたりの理由にしか思えないのです。

0051 根本的に表現方法が違う、絵画と映画の構成を、ここのカットは父の作品の影響で、などと云ってみても「フ~ン。親子なんだから、親の作品を観ていればそういうコトはあるんじゃないの?」という感想しか湧きません。